★★★ 少年ケニヤ ★★★
   以下 日本全国を飛び回り 資料収集に邁進されたtoppyさんの解説です。
  「少年ケニヤ」と言えば確かテレビ番組があったような
石川球太さんのまんがで知っているので山川さんのものが原作だとはうかつにも気づかなかった
"あの大酋長ゼガの顔つき・動きとまんがが印象的なものだから、どれくらいの内容なのかと半信半疑で
まず借り出したのが二冊"
「少年王者」の時と同じでのっけから熱中しました
2巻目、ワタルを探す父の深い顔つきにはうたれるものがある
絵はどちらかというと粗いぐらい
顔つきもコマによって違ったりするし、描き込みも粗い
それでいて文章と絵がうまくあってずんずんひきこまれ読み進んでしまうような出来になっているのが不思議
文章が要を得て、絵も重すぎず、次の絵にスムーズに移行できるようになっているのだろう
冒険の展開は前後するところがあるものの、まっすぐな主人公の気持ちが読む者に伝わってくる
また、戦後という時代がそうさせるのか、父の息子に寄せる過剰なまでの思いも感じとれる

"舞台はケニヤ、商売で現地を訪れている村上大助は十歳になる息子ワタルを
ともなっていたが折しも日本は戦争を起こしケニヤ統治のイギリスにとって敵国となる"
このままでは逮捕されるので奥地に逃げ込む途中、ワタルとはぐれてしまう
ワタルは原始マサイ族の大酋長ゼガを助けたことで一緒に行動することになる
村では倒れたゼガを残して村に戻りゼガが死んだと酋長に収まったセンゲ、部下を使ってゼガを村に近づけない
"沼の向こう、絶壁の麓でゼガとワタルの生活が始まり、
ワタルは槍の使い方などを学び、三年後にはマサイ以上の戦士となる"
ゼガが昔からあがめている大蛇ダーナは危ない時、二人を救いに来る神のような存在
底なし沼に沈みそうになったの助けたことで象のナンターたちはワタルの親友となる
ある時、象が絶壁を越える道を知り、進むと巨大な門がある
その中ではポラ族がケートという白人の少女を神としてあがめている
ケートは祈祷師グレがさらってきて村人に神様と騙している少女で自分の命令をケートを使って伝えていた
それを知ったケートはワタルとボラ族の村から逃げだそうとするのだが・・ここまでが2巻目までの内容
  「少年ケニヤ」中盤(3巻~8巻)
3巻目
ケート救出が災いしてゼガがポラ族につかまっていまう
ワタルはひそかに部落へ潜り込みゼガを救うが囲まれ危ういところ
大蛇ダーナが現れ救ってくれる
村の近くでは様子をうかがうワタルの父がいてここでもすれ違い
4巻目
ゼガは自分の村の若者ワカギをはじめとして味方につくものを見つけセンゲと闘うことに
センゲは数でまさるので山までおびき出し、凶暴な猿バブーンの群れをけしかけたりの作戦
ナンターを先頭に象の群れが村を攻め、さらにダーナも加勢
センゲとゼガの決闘になり負けたセンゲは逃げだしダーナにのまれてしまう
村はワカギたちにまかせゼガはワタルに恩返しと父を見つける旅に付き合う
途中、ケートを操っていたグレが再び現れるがこりも倒して行く
5巻目
ベルキ族の村で祈祷師ヒカが幼い子どもを生け贄にすることに反対したワタルたち
ヒカの使う巨大な白クモを二匹退治する
一方、森をさまよう村上はムーア人を従えたゲルヒンというドイツ人に会い、森の中の基地へむかう
6巻目
ソン少年は森で悪魔の行列を見たため村から追い出される
これはムーア人達の一行だったのだが
"さまようソンはゼガたちと出会い、ワニとの格闘で瀕死の状態となった
ワタルを回復させることができる薬草のありかを教える"
ソン同行して進むうち流砂に流され地底の世界に入り込む
そのは大昔の恐竜が徘徊する恐ろしい世界で中でもケートを気に入ったティラノザウルスが執拗に追ってくる
湖で捕まりそうになった時、地上からどうやって来たのかダーナが駆けつけ救ってくれる
7巻目
湖を渡りダーナは岸壁を上り空とも見える岩壁の頂点へ這って行く
ティラノザウルスもしつこく付いて来て、先に地上へ出たワタルたちを追って地上に出現する
8巻目
密林の基地まで行き着いたワタルたち
父がそこに暮らしているがやはりすれ違い
追ってきたティラノザウルスは基地で大暴れして、さらにケートを追ってソンの村まで進んでくる
ティラノザウルスを倒すにはあり地獄すりばちに落とすしかないとおびき寄せ
最後はダーナが挑んで双方すり鉢の底へころがりこむ
ダーナは尾を岩の上に巻き付け沈むのをまぬかれる
ようやく自由を得たワタルは密林の基地をさぐろうとする
基地ではゲルヒン達がドイツ軍の秘密兵器を研究しているらしい

   「少年ケニヤ」9~12巻
「ケニヤ」は府立図書館で借り出しができるので初めの方から順に借りているとちょうどその次を借りている人があり
進む速度が自分よりゆっくりめ、つっかえて何度か待たされるので飛び越して13巻から最後まで読んでしまった
それから戻って借りると丁度終わっていてという具合、ようやくドイツ軍との闘いの場面
と思っていたら原子爆弾がすぐ爆発し、後はまずはドイツ軍の手から、次に付近の蛮族との闘いとなる
ところで「少年ケニヤ」という呼び名は本編にほとんど出てこない
9巻の114Pでドイツ軍たちがケニヤから来た強い少年が襲ってきたのを「少年ケニヤだっ!!」と叫んでいる場面くらいか?
9巻
シタイン博士はすでに原子爆弾を完成させていて、ドイツ本国からの最後通告を受けこれを葬り去ることに
スイッチを押して研究員、村上たちは逃げ出す、駆けつけた兵隊も逃げ出す始末
すぐに大爆発が起こり、奴隷につかわれていたゼガたちも鎖を切っていたので逃げ出す
村上は一度、ワタルと会って打ち合わせ通り外の森で待ち合わせする
研究所の長ゲルヒンは部下を集め、まず研究員たちに追いついて射殺、裏切りの村上を追う
マサヤの絶壁まで来ると、かつてワタルたちを苦しめたヒカがゾコンガ族の占い師となっていて攻めてくる
10巻
ワタルは村上・ケートを離れ、谷底でゾコンガ族の岩落としに見舞われる
ゲルヒンたちはゾコンガ族に襲われ全滅、村上とケートはつかまってしまう
11巻
村上とケートはゴリラのえじきになるところかけつけたワタル
ここを逃げ出して絶壁の吊り橋の向こうへ逃げ去るところへゼガがかけつけ
吊り橋は落ちるがゼガの助けにワタルはこちら側に飛び戻る
12巻
ワタルがつかまり大地に縛られハイエナの餌食にされるがゼガがかけつけ奮闘
ダーナが来るに及んでハイエナたちは恐れおびえて逃げ出す
つかまった村上はつるされた縄を振り子にして逃げ出す
一人ぼっちになったケートは鳥にいじめられるふくろうを助け以後ともに旅する
   「少年ケニヤ」13巻~完結
13巻
ドイツ基地を破壊した後、追われた村上、ワタルたちはちりじりになる
村上は大蛇を退治して村人から慕われる、白人が来てもかくまってもらう
ケイトはふくろうと旅するが地元のポー族とゴンザ族の争奪戦の標的となる
ワタルはゼガと再会し、コンゴ奥地をさすらううちベルギーから派遣されている治安官ハンソンと出会う
面倒なことになりそうなので逃げ出すことに
14巻
ゴンザ族につかまったケート
ゴンザ族の砦は前は一本道しかない城壁、後ろは湖としっかり守られている
酋長のアーバは息子ゴメにケートを与えるが気の強いケートは気の弱いゴメを寄せ付けずかえってあごで使う
ワタルたちは絶壁をよじ登りゴンザたちに近づく
折しも、従わないわがままさに怒ったアーバがケートを絶壁から湖へ投げ込もうとしていた
15巻
落とされたケートを救おうとワタル、続いてゼガが飛び込む
湖には原始ガメがいて襲いかかる
二人の力でも倒せないが、ゴメが飛び込んで奮闘、カメを倒してしまう
息子の強さが証明されたアーバは気をよくしてケートをワタルたちに任せることに
湖の向こうにはトカゲの皮をかぶった悪魔のようなトカゲ族がいると聞いたゴメはケートの身を案じて救いに出る
16巻
トカゲ族につかまったケートを救うのにてごずるワタル達に追いつきゴメも参入
守り神にまつりあげられたのを逆手に取りワタル達を神の使いと偽り逃げ出すケート
崖の上に追いつめられた所で息子を案じたアーバがゴンザ族を率いて救出に
"一方、ギャバ族の世話になっていた村上は、ベルギー人の
保安官に見つかると面倒になりそうなので村人に運ばれ奥地へ越して行く"
17巻
ケートとワタルに人形を買ってやりたいと思ったゼガは野牛大将を見事射止めて3万円の賞金を手にする
その後、マウマウ団の闘争に巻き込まれ人形もつぶれてしまうが
マウマウに両親を殺されナイロビのおじさんの所へ向かう双子のトイとポーチと同行することに
18巻
木の上に住むトロ族にケートがさらわれ、トイ・ポーチとともに救出に
敵の酋長ペケシは老いぼれだが剣を持つと別人のような使い手
ゼガも手を焼くが、この辺りでは毒があると信じられているカメレオンを大量につかまえておいたのをばらまいて難を逃れる
19巻
ワタルたちと離れたケートは双子と道連れ、途中苦難もダーナやナンターが現れ助けてくれる
双子はポラ族につかまり生け贄にされてしまうところ何とか逃げ出して、ワタル・ゼガと再会したケートと合流
ワタルたちがケニヤに向かったという情報を得た村上はギャバ族5人に付き添われてケニヤに向かう
20巻
原始マサイ部落へ到着した一行は歓待される
今度は列車に乗ってケニヤ、ナイロビへ向かいトイ・ポーチをおじさんに送り届ける
続いてゼガとワタルはモンバサにあるというワタルの元家に列車で向かう
途中の線路をマウマウ団が爆破しようとしている、その情報を得た村上はギャバの青年達と枯れ枝をもやし合図する
村上はようやくワタルと再会することができた
列車を救ったというので、戦後収容されていたワタルの母もすぐ出してもらい一家がそろう
今度はケートの番というわけでキリンジニに向かう
途中、ジョンソン家で10年前娘が行方不明になった事件があると聞くが、その女の子は最近戻ってきたという
実はその女の子を連れてきたブレークは悪人で、新聞で知ったケートに似た女の子を首のほくろもそっくりにして連れてきたのだった
ジョンソン家でゼガ達は相手にされなかったが、気にしたブレークがケートをさらい殺してしまおうとする
"追いかけたワタルとゼガは港で大暴れ、さらに船に乗せられたケートを追って
泳いで追いつき、ケートを救出しブレークの悪事を暴いてしまう"
ケートはジョンソン家に迎えられ偽ケートも妹として暮らすことに
ゼガは故郷に戻って久しぶりにダーナと会うところで長い物語も終了する
   toppyさんの解説でした。toppyさんは近畿地方在住で
日本各地の漫画関連施設へ足を運び古書類を読み漁った方です。
私もあの物語の最後は あのエピソ-ドはどう解決したのか?
知りたい視たいの気持ちは人後に落ちませんがtoppyさんの情熱と行動力には勝てませんね。
   以下は 復刻版  少年ケニヤ  の紹介です
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   何度も再読しましたが今読んでも興味深々です。
前半5巻くらい迄が波乱万丈何でも有り
( 底なし沼 吸血つた 超大蛇ダーナ 白人美少女 流砂 地底世界 ティラノザウルス
 ナチスの秘密基地)

後半は次第に現実的に」なります